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  • 陶芸の個展が終わって

    「今回、果たしてお客様に来ていただけるのだろうか?」

    陶芸の個展の案内のハガキを書きながら不安に思った。

    コロナ禍で春から秋に延期したものの、まだ感染者は横ばい状態である。いくら注意しても感染する人もいる。

    会場入り口に付ける「手指の消毒、マスクの着用をお願いいたします」の貼り紙や消毒液、マスクをしないでいらした方の予備用マスクも準備しなければ……。

    自分は開催する数か月前から、期間中は絶好のコンディションでいられるよう体調管理はしているものの、家族の健康は大丈夫だろうか、もし家族が感染したらという不安もあり、今まで以上に神経を使うことになりそうだ。

    2004年に自宅工房で初めて行ってから9回目となる今回の個展は、3本足のヤキモノ、あびあんとたちが活躍する絵本「ぷれてり星のあびあんと」出版記念として行うものである。本に登場するキャラクターの基であるヤキモノを披露する場となる。

     

    今回初めて挑戦したものがある。それは会場を絵本の世界観が感じられるように演出することだ。

    そのため、入ってすぐのところに手描きのイラストを貼り、お客様をお出迎えしよう。しかし、絵を描き色塗りしたものの、満足が得られなかったのでアウトラインだけにした。ところが白壁にそれを貼っても面白みがない。それで若草色や紺の麻布を壁に這わせ、その上に絵をのせてみた。すると絵が生き生きとしてきたではないか……。

    星型に切った色紙も壁に貼ってみよう。しかし、ここでもまた問題が。というのも、きれいな五角形の星や瞬いて見える星を作るのは難しく、結局ネット情報を参考にして解決できた。

    円盤形の宇宙船のピアスも作ってみよう。陶芸用粘土だと重みが出てしまうため、出来るだけ軽く仕上がるという木の粉から作られた粘土を使った。作りたては柔らかく、1~2日かけ乾燥させ硬くした。その後色塗りだが、細かい箇所に白抜きの太い黒線の丸をアクリル絵の具で描くのは、ちょっと大変であった。

    最後にワイヤーアートで星や宇宙船も作ってみよう。これらは一筆書きのようにしなければワイヤーの端が出て危ない。そこで紙にそれらを一筆書きで書いて練習してから作った。

    今回はまるで幼稚園の学芸会のようだ。子供も大人も楽しめるようにするのが目標なので、これらの作業をしているとき、今まで感じたことがない満足感を得た。

    「私は物を作り上げる途中段階が好きなんだ」と改めて思った。

     

    会場の中央には、本に登場してくる宇宙船やキャラクターたちが楽しそうにしている様子がわかるようにそれらを配置した。また、それを取り囲むように未知なる生物、植物などもヤキモノで作って飾ってみた。

    さて、こうして全てが整った会場にいらしたお客様は、立ったり、しゃがんだりしてキャラクターたちを見たり触ったりして、マスクをしていてもにこやかな表情をしているように見えた。

    今回はコロナ禍でわずか3日間の開催だったが、予想以上のお客様にお越しいただいた。

    作品を見た後「楽しかった~」と言って帰られたことは、私にとって最高の褒め言葉であり、嬉しかった。

    「次はどんなものを見せてくれるんだろう」という期待感を持ってもらうことが私の楽しみである。

    「みんなを巻き込んで楽しいことをしたい」ということから始まった作品展や催し物。ワクワク、ドキドキさせられるような作品をこれからも作っていきたいと思う。

    「さて、次はどのような作品で皆を楽しませようかな」

     

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